万葉集入門
日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)
スポンサード リンク
春の野に鳴くや鶯懐(なつ)けむとわが家(へ)の園に梅が花咲く
算※1師志氏大道(さんしししのおほみち)
※1:「算」は原文では「竹」冠+「下」。
巻五(八三七)
-----------------------------------------------
春の野に鳴くよ鶯。その鶯を引き寄せようと我が家の庭に梅が花を咲かせている。
-----------------------------------------------
この歌も大宰師の大伴旅人(おほとものたびと)の邸宅で開かれた宴席で詠まれた「梅花(うめのはな)の歌」三十二首の歌のうちのひとつ。
「算師(さんし)」は、計数の官。
志氏大道(ししのおほみち)は、志紀大道(しきのおほみち)のこと。
「春の野に鳴くよ鶯。その鶯を引き寄せようと我が家の庭に梅が花を咲かせている。」との、この歌も梅の花の咲く庭と鶯の鳴き声を詠って華やかな一首となっています。
志紀大道のこの歌以外でも鶯の鳴き声が詠われていますが、実際にその美しい鳴き声が音楽のようにこの宴の席の人々の耳に聞こえていたのでしょうね。
そんな鶯を惹きつけるかのように咲く美しい梅の花と、鶯の鳴き声で宴の場はますます盛り上がったことでしょう。
スポンサード リンク
関連記事
万葉集巻五の他の歌はこちらから。
万葉集巻五
万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価637円〜〜1101円(税込み参考価格)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。
万葉集入門(トップページ)へ戻る
当サイトはリンクフリーです、どうぞご自由に。
Copyright(c) 2015 Yoshihiro Kuromichi (plabotnoitanji@yahoo.co.jp)
スポンサード リンク
欲しいと思ったらすぐ買える!楽天市場は24時間営業中
Amazon.co.jp - 通販