万葉集入門
日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)
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鶯の声(おと)聞くなへに梅の花吾家(わぎへ)の園に咲きて散る見ゆ
対馬(つしまの)目高氏老(かうしのおゆ)
巻五(八四一)
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鶯の声を聞くのにつれて、梅の花が我が家の庭に咲いては散ってゆくのが見えるよ。
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この歌も大宰師の大伴旅人(おほとものたびと)の邸宅で開かれた宴席で詠まれた「梅花(うめのはな)の歌」三十二首の歌のうちのひとつ。
作者の高氏老(かうしのおゆ)は、高向村主老(たかむこのすぐりおゆ)のこと。
「鶯の声を聞くのにつれて、梅の花が我が家の庭に咲いては散ってゆくのが見えるよ。」と、鶯の声につられるように梅の花の咲きみだれて散ってゆく様子が風流な表現で詠われた一首ですよね。
同時に、後の世の平安和歌などの「雅(みやび)」にも通じてゆくような片鱗が見て取れて興味深い一首でもあります。
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万葉集巻五
万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価637円〜〜1101円(税込み参考価格)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。
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