万葉集入門
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日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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霞立つ長き春日(はるひ)を插頭(かざ)せれどいや懐(なつか)しき梅の花かも

小野氏淡理(たもり)

巻五(八四六)
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霞の立つ春の日を一日かざしつづけてもなお恋しい梅の花だなあ。
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この歌も大宰師の大伴旅人(おほとものたびと)の邸宅で開かれた宴席で詠まれた「梅花(うめのはな)の歌」三十二首の歌のうちのひとつで最後の一首。
小野氏淡理(おのしのたもり)は小野田守(おののたもり)のことで、「淡理」は唐風の表記。

「霞の立つ春の日を一日かざしつづけてもなお恋しい梅の花だなあ。」と、宴の終わりを間近に迎えてもなお梅の花に飽き足らない心情を詠っています。
これはもちろん、梅の花だけでなくこの宴自体の楽しさがいつまでも続いてほしいとの意味も込められているのでしょうね。
まあ、どんな宴にも終わりはあるものでこの梅を愛でる歌も小野田守のこの一首が最後となるわけですが、旅人たちが梅を楽しんだ時間は短歌となって現在にまでも続いているとも言えるのではないでしょうか。

以上、大伴旅人たちが詠んだ「梅花(うめのはな)の歌」三十二首の歌の紹介でした。


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万葉集巻五


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万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価637円〜〜1101円(税込み参考価格)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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