万葉集入門
万葉集入門
現存する日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

スポンサード リンク


皆人の恋ふるみ吉野今日見ればうべも恋ひけり山川(やまかは)清み

巻七(一一三一)
-----------------------------------------------
皆の人が恋しく思うみ吉野を今日来て見れば、なるほど恋しく思うわけだ。山も川も清らかなことだ
-----------------------------------------------

この歌も万葉集巻七の「芳野にして作れる」と分類された五首の歌のうちのひとつで、作者は不明です。
歌の内容からして、この歌もまた奈良の京あたりからやって来た旅人の作なのでしょう。

歌の内容は「皆の人が恋しく思うみ吉野を今日来て見れば、なるほど恋しく思うわけだ。山も川も清らかなことだ」と、初めて訪れたみ吉野の山川の美しさを讃える一首となっています。
「皆の人が」とは過去に和歌に詠われてきたみ吉野を念頭に置いての言葉なのでしょう。
「うべ」は「なるほど」といった感じの意味。

そんな歌にのみ聞いてきたみ吉野の風景を実際に自分の目で見た感動を詠って、見事な土地讃めの一首となっていますね。


奈良県吉野町喜佐谷にあるこの歌の歌碑。
桜木神社の前の道を南に進んだ突き当りの、吉野山への登山道(万葉の道)入り口にあります。



添碑。



み吉野の山と川。


スポンサード リンク


関連記事
万葉集巻七の他の歌はこちらから。
万葉集巻七


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

万葉集入門(トップページ)へ戻る

当サイトはリンクフリーです、どうぞご自由に。
Copyright(c) 2016 Yoshihiro Kuromichi (plabotnoitanji@yahoo.co.jp)


スポンサード リンク


欲しいと思ったらすぐ買える!楽天市場は24時間営業中

Amazon.co.jp - 通販