万葉集入門
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現存する日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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夢(いめ)のわだ言(こと)にしありけり現(うつつ)にも見てけるものを思ひし思へば

巻七(一一三二)
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夢のわだとは言葉だけだったのだなあ。いま現実に見ることが出来たのだから。長い間思いに思って来たことだ
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この歌も万葉集巻七の「芳野にして作れる」と分類された五首の歌のうちのひとつで、作者は不明です。
「夢(いめ)のわだ」は奈良県吉野町にある「象(きさ)の小川」が吉野川に流れ込む淀のこと。

歌の内容は「夢のわだとは言葉だけだったのだなあ。いま現実に見ることが出来たのだから。長い間思いに思って来たことだ」と、そんな夢のわだを現実に見ることが出来た喜びを詠た一首となっています。

現実に見たのだからもう「夢」ではないとの初句に、実際に夢のわだを見ることの出来た喜びがよく表れていますよね。
「思ひし思へば」の結句にもまた、長い間憧れ続けて来た夢のわだへの思いを詠って、旅路の見事な土地讃めの一首となっているように感じます。


夢のわだ(写真の左下の白い部分)。
「夢(いめ)のわだ」は奈良県吉野町宮滝にある「象(きさ)の小川」が吉野川に流れ込む淀のことです。



夢のわだ。



真上から見た夢のわだ。
象の小川は現在は舗装された道路の下のトンネル部分を通って吉野川に流れ込んでいます。


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万葉集巻七


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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