万葉集入門
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現存する日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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吉野川石(いは)と柏(かしは)と常盤(ときは)なすわれは通はむ万代(よろづよ)までに

巻七(一一三四)
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吉野川の岩と柏とが永遠であるように私も変わらずに通おう、万年の後まで
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この歌も万葉集巻七の「芳野にして作れる」と分類された歌のうちのひとつで、作者は不明です。
「柏(かしは)」は、葉が柏餅などに使われる柏の木のこと。
「常盤(ときは)」はこの場合は永遠の意味。

そんな「吉野川の岩と柏とが永遠であるように私も変わらずに通おう、万年の後まで」と、吉野の岩や柏の木が常盤であると誉め讃え、おなじく常盤(永遠)に万年の後まで通おうと詠った土地讃めの一首となっています。
「通はむ」と詠っているわけですからこの作者もまた奈良の京あたりから朝廷の任でやって来た旅人なのだろうと想像できますが、この時期の京の人々にとっても吉野の地はやはり神聖な憧れの土地であったのでしょうね。


柏の木(奈良県明日香村万葉文化館庭園)。



奈良県明日香村万葉文化館庭園にある柏の木の解説。
この巻七(一一三四)の歌についても解説されています。



常盤なす吉野川。


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万葉集巻七の他の歌はこちらから。
万葉集巻七


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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