万葉集入門
現存する日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)
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中納言阿倍広庭卿(あべのひろにはのまへつきみ)の歌一首
去年(こぞ)の春掘(こ)じて植ゑしわが屋外(やど)の若樹(わかき)の梅は花咲にけり
巻八(一四二三)
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去年の春に掘り起こして移し植えたわが家の梅の若木は、今年見事に花が咲いたよ
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この歌は中納言阿倍広庭(あべのひろには)が詠んだ一首です。
阿倍広庭は右大臣阿倍御主人(あべのみうし)の子で、この時すでに七十を過ぎた老齢だったようです。
そんな阿倍広庭の詠んだ一首ですが「去年の春に掘り起こして移し植えたわが家の梅の若木は、今年見事に花が咲いたよ」と、去年の春に庭に植え替えた梅の花が開花した喜びを詠っています。
梅の花は飛鳥時代から奈良時代にかけての時期に大陸から大宰府を通して奈良の京に持ち込まれた植物で、当時の貴族たちには非常に貴重がられたようです。
この歌もそんな大陸風を風流の第一とした当時の貴族たちの姿を想像させてくれて、美しい春の一首ですよね。
梅の花。
梅の花は飛鳥時代から奈良時代にかけての時期に大陸から大宰府を通して奈良の京に持ち込まれた植物で、当時の貴族たちには非常に貴重がられたようです。
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万葉集巻八
万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。
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