万葉集入門
現存する日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)
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山部宿禰赤人(やまべのすくねあかひと)の歌四首
春の野(の)にすみれ摘(つ)みにと来(こ)しわれそ野をなつかしみ一夜(ひとよ)寝にける
巻八(一四二四)
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春の野にすみれを摘もうとして来た私は、野があまりにも懐かしいのでここで一晩寝てしまったよ
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この歌は山部宿禰赤人(やまべのすくねあかひと)の詠んだ春の歌四首の内のひとつです。
山部赤人は奈良時代を代表する宮廷歌人のひとりです。
この歌ではそんな山部赤人が「すみれを摘みに来た野に惹かれて一夜をそこで過ごしてしまった」と詠っています。
「すみれ」は現在のスミレの花のことで、花や若葉を食べることが出来るので食用目的でのすみれ摘みでしょうか。
もちろん鑑賞目的も兼ねていたのだろうとも思われますが。
「野をなつかしみ」とは、宮廷での官人としての生活の対極で自然の中での風流を楽しむ意味なのでしょう。
まあ、実際には野で寝たのではなく野の側の住居でのんびりと過ごす様子をこのように表現したのだと思われますが、宮廷での仕事から離れた場所でののびのびとした心情が素敵に表現されている長閑な春の一首ですよね。
奈良市鹿野園町のケアハウス和楽園の入り口にあるこの歌の歌碑。
すみれの花。
すみれは春の野を代表する草花で、若葉や花などを生でも食べることが出来ます。
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万葉集巻八
万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。
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