万葉集入門
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現存する日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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中臣朝臣武良自(むらじ)の歌一首

時は今は春になりぬとみ雪降る遠き山辺(やまへ)に霞棚引く

巻八(一四三九)
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季節は今こそ春になったと雪の降り積もる遠い山の嶺にまでも霞が立ちこめていることだ
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この歌は中臣朝臣武良自(なかとみのあそみむらじ)の詠んだ一首です。
中臣武良自については詳しいことは不明ですが、中臣宅守(なかとみのやかもり)あたりの縁者でしょうか。

歌の内容は「季節は今こそ春になったと雪の降り積もる遠い山の嶺にまでも霞が立ちこめていることだ」と、春になって雪の残る山にも霞が立ち込めている様を詠った一首となっています。
つまりは冬の名残の雪と、春の霞を同時に詠って季節の移り変わりを表現したわけですね。

そんな新しい季節の到来を歓んで詠った、この歌もまた万葉人らしい繊細な感受性のある一首といえるでしょう。


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万葉集巻八


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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