万葉集入門
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現存する日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
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(解説:黒路よしひろ)

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刀理宣令(とりのせんりやう)の歌一首

もののふの石瀬(いはせ)の杜の(もり)の霍公鳥今も鳴かぬか山の常陰(とかげ)に

巻八(一四七〇)
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もののふの石瀬の杜の霍公鳥よ、今も鳴いてくれないものかなあ。山の陰で
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この歌は刀理宣令(とりのせんりやう)が霍公鳥(ほととぎす)を詠んだ一首です。
刀理宣令は渡来系の人物。

この歌はそんな刀理宣令の詠んだ一首ですが「もののふの石瀬の杜の霍公鳥よ、今も鳴いてくれないものかなあ。山の陰で」と、石瀬(いはせ)の杜の霍公鳥がいま自分のいる山にも飛来して鳴いてほしいとの思いを詠った内容となっています。
「もののふの」は「石瀬(いはせ)」に懸る枕詞。
「石瀬の杜」は奈良県三郷町あたりにあったとされる杜。

この山もおそらくは石瀬の杜の近くの竜田山を通ったときに、石瀬の杜で鳴いていた霍公鳥を思い出して詠んだものなのでしょう。
奈良時代の平城京から難波へ向かう官道は、京から南西へ向かって進み竜田山を越えたようですが、あるいは刀理宣令もこの時難波へ向かっての道中だったのかも知れませんね。


奈良県三郷町のJR三郷駅の西にある磐瀬の杜とされる場所。
刀理宣令も奈良の京からこのあたりを通って竜田山越えの道を歩んでいたのでしょうか。


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万葉集巻八


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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