万葉集入門
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現存する日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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大伴書持(ふみもち)の歌二首

わが屋戸(やど)に月おし照れり霍公鳥心あらば今夜(こよひ)来鳴き響(とよ)もせ

巻八(一四八〇)
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わが家に月が照っている。霍公鳥よ思いやりの心があってくれ。このよい月夜にこそやって来て鳴いてくれ。
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この歌は大伴書持(おおとものふみもち)が詠んだ二首の歌のうちのひとつです。
大伴書持は大伴家持(おほとものやかもち)の弟で、残念ながらこの後、若くして病で亡くなってしまいます。

そんな書持の詠んだ一首ですが「わが家に月が照っている。霍公鳥よ思いやりの心があってくれ。このよい月夜にこそやって来て鳴いてくれ。」と、月夜の美しい今夜にこそ鳴き声を聞かせてくれと霍公鳥に呼びかけた内容となっています。
霍公鳥は夜にも鳴く鳥として知られていますが、美しい月夜にこそその声を聞きたいとの願いからは、兄の家持と同様に書持もまた風流をよく理解する繊細な心の持ち主であったことが読み取れますね。


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万葉集巻八


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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