万葉集入門
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現存する日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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大伴家持の唐棣(はねず)の花の歌一首

夏まけて咲きたる唐棣ひさかたの雨うち降ればうつろひなむか

巻八(一四八五)
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夏を待ち受けて咲いた唐棣は、こんなにもひさかたの雨がうちつけて色あせてしまうのではないだろうか。
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この歌は大伴家持(おほとものやかもち)が詠んだ一首です。
「夏まけて」は夏を待ち受けての意味。
唐棣(はねず)はニワウメのことでしょうか。
「ひさかたの」は「天」や「雨」などにかかる枕詞です。

歌の内容は「夏を待ち受けて咲いた唐棣は、こんなにもひさかたの雨がうちつけて色あせてしまうのではないだろうか。」と、せっかく咲いた唐棣の花が雨に打たれて色あせてしまうことを案じた一首となっています。
家持の屋敷には唐棣も植えられていたのでしょうか。
そんな唐棣の花が雨によって色あせてしまうのではないかとの、この歌もまた家持らしい繊細な心が感じらる一首ですよね。


唐棣(ニワウメ)の花。


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万葉集巻八


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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