万葉集入門
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現存する日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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石川朝臣老夫(おきな)の歌一首

女郎花(おみなへし)秋萩手折(たを)れ玉鉾(たまほこ)の道行苞(みちゆきつと)と乞(こ)はむ児(こ)のため

巻八(一五三四)
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女郎花も秋萩も手折れ。玉鉾の道行く旅の土産と願うだろうあの児のために
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この歌は石川朝臣老夫(いしかはのあそみおきな)の詠んだ一首です。
石川朝臣老夫については詳しいことは不明。
「玉鉾(たまほこ)の」は「道」に懸る枕詞。

歌の内容は「女郎花も秋萩も手折れ。玉鉾の道行く旅の土産と願うだろうあの児のために」と、秋の草花である女郎花と秋萩を愛しい児への土産にしようと詠んだ一首ですね。
「児」は文字通り子供とも取れますが、この場合は恋人と解釈したほうがいいのかも知れませんね。

万葉の時代、花が咲くのは内なる霊力の力によるものと信じられていました。
ですから、花を手折って土産にする行為は純粋に美しい花を愛でるというだけでなく、花の持つ生命力や霊力を身に付けるという行為でもあったわけです。


女郎花(おみなえし)。



萩(はぎ)。


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万葉集巻八


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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