万葉集入門
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現存する日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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太宰師(そち)大伴卿(まへつきみ)の歌二首

わが岡(をか)にさ男鹿(をしか)来鳴く初萩(はつはぎ)の花嬬(はなづま)問ひに来鳴くさ男鹿

巻八(一五四一)
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わが家近くの岡に男鹿が来て鳴いているよ。初萩を花妻として言問いに来て鳴く男鹿よ
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この歌は太宰師(だざいのそち)の大伴旅人(おほとものたびと)が詠んだ二首の歌のうちのひとつ。
題詞に「太宰師」とあるので大宰府に赴任中の歌でしょう。
「花妻(はなづま)」とは萩(はぎ)の花のことで、 鹿がいつも萩に寄り添うことから萩の花を鹿の妻だと見立ててこのように呼びます。

この歌でも「わが家近くの岡に男鹿が来て鳴いているよ。初萩を花妻として言問いに来て鳴く男鹿よ」と、そんな花妻を求めて鳴く男鹿を詠った一首となっています。
大伴旅人は大宰府に赴任してきてすぐに妻を亡くしていますが、あるいは妻問いに鳴く男鹿に自身の姿を重ねて見たのかも知れませんね。


花嬬(はなづま)。
鹿がいつも萩に寄り添うことから、鹿の妻と見立てて萩の花を「花嬬」と呼びます。


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万葉集巻八


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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