万葉集入門
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現存する日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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三原王(みはらのおほきみ)の歌一首

秋の露は移(うつり)にありけり水鳥の青羽(あをば)の山の色づく見れば

巻八(一五四三)
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秋の露は移しの染め料だったのだなあ。水鳥のように青羽色だった山が黄葉してしまったのを見ると
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この歌は三原王(みはらのおほきみ)の詠んだ一首。
三原王は舎人皇子(とねりのみこ)の子で、天武天皇(てんむてんわう)の孫。

そんな三原王が秋の山を詠んだ歌ですが「秋の露は移しの染め料だったのだなあ。水鳥のように青羽色だった山が黄葉してしまったのを見ると」と、露が降りた後に山が黄葉した情景を詠った一首となっています。

「移(うつり)」は「染めるための染料」のことで、水鳥のように青羽色だった山が黄葉して黄色や赤に変わったことから露を染料に譬えたわけですね。
「水鳥」はカモ類のことでしょう。
あるいは秋の宴の席などで詠んだものなのかも知れませんが、奈良時代の貴族らしいなんとも風流な一首になっていますよね。


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万葉集巻八


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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