万葉集入門
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日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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島の宮上(うへ)の池なる放ち鳥荒(あら)びな行きそ君いまさずとも

巻二(一七二)
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島の宮の上の池の放ち鳥よ、そんなにもすさんで行くな。皇子がいらっしゃらなくても
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上の池とは、島の宮に段差を利用して上下の二つの池があったのでしょう。
この歌は、草壁皇子が亡くなったことで島の宮の離宮が荒れ果て、世話をするものがいなくなったために池に飼われていた鳥が次第に野生化していくのを見て詠まれた一首。
上の池の放ち鳥たちよ、そんなに荒れるな。草壁皇子がいらっしゃらないからといって…
と、鳥たちに語りかけているわけですが、草壁皇子が存命であったならという無念の想いがひしひしと伝わってくる一首ですね。


分かりにくい場所にあるためにあまり知られていませんが、島庄の北の丘の上にこの歌の歌碑が建っています。

石舞台前の道を東に登るとこのような三叉路があります。
この写真の道を右へ登って行くと、祝戸、多武峰方面に…
左の細い道を登って進むとこの歌の歌碑のある場所に出ます。


このような案内版があるので、岡寺方面(写真左の細い道)と書かれているほうへ進みます。


竹やぶの中の坂道を登ってゆくと…


この歌の歌碑のある場所に出ます。


添碑。



歌碑のある場所から見下ろした島の宮(島庄)。


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万葉集巻二の他の歌はこちらから。
万葉集巻二


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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