万葉集入門
日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)
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み薦刈る信濃の真弓引かずして強(し)ひざる行事(わざ)を知るとは言はなくに
郎女
巻二(九七)
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み薦を刈る信濃の弓を引くように実際に手を引きもしないで、わたしの気持ちなど分かるはずがないでしょう。
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この歌も久米禅師(くめのぜんじ)と石川郎女(いしかはのいらつめ)が交わした相聞歌のひとつで、先の禅師の巻二(九六)歌へ郎女が返した返歌。
先の歌で、禅師が「君の手を引いたなら嫌だというだろうか」と問うたのに対して、男なら実際に手を引いてもっと強引に来てほしいとの女心がよく表れた一首ですね。
男の立場、女の立場ともに、みなさんにもこの二人の恋愛の気持ちはよく理解できるのではないでしょうか。
こうして読むと、万葉集の時代の男女というのも現代の我々となにも変わらない恋のやり取りをしていたのだなと実感させられますね。
この後、さらに二人の恋のやり取りは続きます。
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万葉集巻二
万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。
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