万葉集入門
日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)
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うつせみの命を惜しみ浪にぬれ伊良虞の島の玉藻刈りをす
麻続王これを聞きて感傷して和(こた)へたる歌
うつせみの命を惜しみ浪にぬれ伊良虞の島の玉藻刈りをす
巻一(二十四)
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儚いこの命を惜しみ 浪にぬれてはわたくしは 伊良虞の島のこの玉藻を刈り そして食べているのです
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この歌、題詞では前回紹介した歌に、麻続王(をみのおほきみ)が答えて詠んだとなっていますが、実際にはこれも麻続王の流離譚を元に誰かが(麻続王の気持ちになって)詠んだもののようですね。
まあ、でもこの歌も実際に麻続王が詠んだ歌と解釈して鑑賞したほうがおもしろいように思います^^
「うつせみの」は「命」を引き出す枕詞です。
枕詞とは、万葉集のようにまだ歌を文字に書かず声に出して読んでいた時代、「うつせみなぉ〜〜」と詠み手が詠っている間に「ああ、これから命の歌を詠むのだな…」と読み手に心の準備をさせる効果のある特殊な言葉です。
(今でいうなら流行歌のイントロのようなものを想像すればわかりやすいかな?)
ほかにも枕詞には、一首の「調べ(リズム)」を整えたりする効果もあります。
ちなみにこの歌、中西進先生の「万葉集」では他の人物が「(麻続王が)玉藻を食べておられるのだ」と麻続王の姿をみて詠んだように訳されていますが、どうもこれだと題詞とあわないので、僕は麻続王自身が詠んだ意味に訳しておきました。
万葉集書籍紹介
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘館長でもあられた中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。
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万葉集巻一
万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。
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