万葉集入門
日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)
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打つ麻を麻続王海人なれや伊良虞の島の玉藻刈ります
打つ麻(そ)を麻続王海人(をみのおほきみあま)なれや伊良虞(いらご)の島の玉藻刈(たまもか)ります
巻一(二十三)
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打った麻を績(う)む麻海人(をみのおほきみ)は海人なのかな いやいやそんなはずはないのに 伊良碁(いらご)の島の玉藻をわびしく刈ってらっしゃるよ
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麻続王(をみのおほきみ)は伝承不詳の人物で、罪があって稲葉の国に配流になったそうです。
この歌では伊勢の国の伊良虞に流されたとなっていますが、麻続王の流離譚は各地にあり、このような伝説として人々によって詠われたのです。
この歌もその麻続王の流離譚をモチーフに、誰かによって詠われたもののひとつのようですね。
ただ、やっぱり実際に配流になった麻続王(をみのおほきみ)が波間で藻を採っているのをみた島の人がそれを見て詠んだものと解釈したほうがおもしろい一首ですよね^^
「打つ麻を」は「打って柔らかくした麻」から「麻」を引き出す枕詞です。
枕詞とはある決まった言葉を引き出す働きがあり、以前紹介した額田王(ぬかたのおほきみ)の「あかねさす紫野(むらさきの)行き…」の歌の「あかねさす」なども「紫」を引き出す枕詞ですが、まあ、これについては長くなるのでまた次の歌で解説させてもらいますね(笑)
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万葉集巻一
万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。
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