万葉集入門
日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)
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天皇の藤原夫人(ふじわらのぶじん)に贈へる歌一首
わが里に大雪降れり大原の古(ふ)りにし里に降らまくは後(のち)
巻二(一○三)
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僕のいる飛鳥の里にはいま大雪が降っているよ。君のいる大原の古びた里に降るのはもっとあとだろうね。
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この歌は天武天皇が妻である藤原夫人に贈った歌です。
藤原夫人は鎌足の娘の五百重(いおえ)娘のことで、天武天皇の夫人の一人(この当時は一夫多妻制が普通で、夫人とは后に次ぐ妃)でした。
大原の里は藤原一族の地で、飛鳥坐神社のすぐ東に存在しています。
実際には飛鳥の宮廷、浄御原(きよみはら)と大原の里は歩いても30分もかかからない距離にあるので飛鳥宮に雪が降れば大原の里にも同じように雪は降るので、これは天皇が山手寄りの大原の里をからかって詠んだ戯れの歌なわけですね。
飛鳥浄御原(あすかきよみはら)宮のあった伝板蓋宮跡(でんいたぶきのみやあと)。
天武天皇はこの地から大原の里にいる藤原夫人に歌を贈りました。
ちなみにここから大原の里はわずか1キロほどしか離れていません。
明日香村大原にある藤原鎌足誕生の地。
藤原夫人の住んでいた大原は飛鳥坐神社の東にあり、この一帯が藤原氏の本拠地でした。
大原の里にあるこの歌の万葉歌碑。
次に紹介する藤原夫人の返歌と二首並んでいます。
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万葉集巻二
万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。
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