万葉集入門
日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)
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わたつみの豊旗雲に入日射し今夜の月夜さやけかりけり
わたつみの豊旗雲(とよはたぐも)に入日射(さ)し今夜(こよひ)の月夜(つくよ)さやけかりけり
巻一(十五)
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海の上をたなびく雲に夕日が射して輝いている うん 今宵の月は清らかであってほしいものだなあ
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こちらも中大兄皇子(なかつおほえのみこ)の三山の歌、巻一(十三)に付けられた反歌のうちのひとつです。
先にも述べましたが、この三山の歌は長歌も含めて、斉明天皇時代の新羅遠征時、播磨の国を船出するときの土地の神への祈願に詠まれたという説があります。
そう解釈すると、この反歌らしくない歌が三山の歌の最後に付けられているのも少し納得できるような気がしますね。
印南国原に来て、阿菩の大神が香具山と耳梨山の争いの仲介に来たことを思い出し、三山の伝説を思い出し詠い、そして船出の無事(海の穏やかさ)を祈ってこの歌を詠んだと…
万葉集にはこのように、大自然の神々に言あげ(言霊をささげ祈ること)する歌がたくさん収録されています。
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万葉集巻一の他の歌はこちらから。
万葉集巻一
万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。
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