万葉集入門
日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)
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夜光(ひか)る玉といふとも酒(さけ)飲みて情(こころ)をやるにあに若(し)かめやも
巻三(三四六)
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(人がうらやむような)夜に光るという玉とて、酒を飲む憂さ晴らしにはとうてい及ばないものだ。
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この歌も大伴旅人(おほとものたびと)の「酒を讃むるの歌」十三首のうちの一首。
「夜光る玉」は漢書などによく出てくる「夜光の壁(たま)」のこと。
大陸との直接の窓口でもある筑紫という土地で、大陸の文化に触れる機会の多かった旅人の歌にはこういう漢書の知識がよく出てきますね。
「そんな漢書によく出てくる人々がうらやむという夜光る玉とても、酒を飲む憂さ晴らしにはとうてい及ばないよ…」との感慨は、多少の誇張はあっても旅人の本心だったのでしょう。
どんな宝であっても人の争いを止められぬのなら、せめて酒を飲んでいっときでも嫌なことを忘れていたい…
中央(奈良の京)での貴族たちの権力争いを遠くに思いながら、酒に酔うしかなかった旅人の寂しさがそこに見て取れるような気がします。
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万葉集巻三
万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。
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