万葉集入門
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日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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反歌一首

ひさかたの天(あま)ゆく月を網(あみ)に刺(さ)しわご大王(おほきみ)は蓋(きぬがさ)にせり 

巻三(二四〇)
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はるか天空をゆく月を網に捕えて、わが大王は夜空の蓋にしているよ。
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この歌は先の巻三(二三九)の長歌に付けられた反歌で、長皇子(ながのみこ)が猟に出たときに柿本人麿が(かきのもとのひとまろ)が詠んだ一首です。
「はるか天空をゆく月を網に捕えて、わが大王は夜空の蓋にしているよ。」とは、夜空を大きな釜と捉えて、天武天皇の皇子である長皇子が月をその蓋にしているという発想ですね。
「網に刺し」というのは、猟りで使う網を見ての譬えでしょうか。
こう詠われるとほんとうに月が夜空の蓋として存在しているような壮大なイメージが頭の中に広がってきますが、これも天空の月をも意のままにするほどの力を朝廷は持っているのだという力の誇示と同時に実際にそのような力の実現を望んでの呪術的な要素も持っている歌なのでしょう。


奈良県桜井市の談山神社、山門前にあるこの歌の歌碑。



桜井市鹿路(ろくろ)の地を流れる小川。



鹿路の亀石(この歌とはなんの関係もありませんが^^;)
天然に出来た石だそうです。


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万葉集巻三の他の歌はこちらから。
万葉集巻三


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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