万葉集入門
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日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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藤原の大宮仕へ生(あ)れつぐや処女(おとめ)がともは羨(とも)しきろかも

巻一(五三)
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藤原の大宮に仕えるため生まれてくる処女たちは羨ましいことだなあ。
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この歌も藤原京を讃える歌として詠まれたもので、先の巻一(五二)の長歌に付けられた反歌です。
長歌と同じく詳しい作者は不明。
「処女(おとめ)」はこの場合は「采女(うねめ)」として宮殿に仕えることになる女性のこと。
つまりは藤原宮に采女として仕えるべく生まれてくる少女たちを羨ましいと詠うことで藤原宮のすばらしさを讃えているわけですね。
そして、実際にそのような采女たちが羨ましがられることになる素晴らしき宮となってほしいとの願いが込められた宮讃めの呪術歌でもあります。

「藤原の大宮に仕えるため生まれてくる処女たちは羨ましいことだなあ。」
こう詠われることで華やかな采女たちが行き交う宮殿の姿が目に浮かんでくるようですね。
この歌も、出来れば藤原京の地に立って実際に口ずさんでもらいたいと思います。
そうすることで今はもう跡形もなくなった宮殿とそこで華やぐ采女たちの姿が現在に蘇ってくるような、そんな不思議な力を感じるはずです。


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万葉集巻一の他の歌はこちらから。
万葉集巻一


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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