万葉集入門
万葉集入門
日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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見れど飽かぬ吉野の河の常滑(とこなめ)の絶ゆることなくまた還り見む

巻一(三十七)
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見飽きることのない吉野の河の永遠に続く滑らかさを、いつまでも絶えることなく繰り返し見よう。
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この歌も持統天皇(ぢとうてんわう)が吉野の宮に行幸したときに同行した柿本朝臣人麿(かきのもとのあそみひとまろ)が詠んだ歌で、巻一(三十六)の長歌につけられた反歌。
「何度見ても見飽きることのない吉野の河の永遠に続く滑らかさを、いつまでも絶えることなく繰り返し見よう」と、長歌での土地讃めの言霊をさらに集約したような内容になっていますね。

人麿たちの時代から千数百年経った現在も、吉野川はその水を絶やすことなく常滑(とこなめ)の河として流れ続けています。
みなさんももし機会があれば実際に宮滝の地を訪れて、柿本人麿の詠んだこれらの歌を口ずさみながら吉野の山々や川の流れを眺めてみてほしいと思います。
そうすることで人麿たちが信じた吉野の土地の神の霊力を、今の時代のわれわれも少しは感じることが出来るはずです。


奈良県吉野町の宮滝河川交流センター敷地内にあるこの歌の歌碑。



宮滝河川交流センター
中荘小学校(現在は閉校して野外学習の施設として利用されています)の前にあります。



常滑(とこなめ)の吉野川。


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万葉集巻一の他の歌はこちらから。
万葉集巻一


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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