万葉集入門
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日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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御名部皇女(みなべのひめみこ)の和(こた)へ奉(まつ)れる御歌

わご大君物な思(おも)ほし皇神(すめがみ)のつぎて賜へるわれ無(な)けなくに

巻一(七七)
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わが大君、なにも心配などいりませんよ。皇祖の神が大君の次にお与えになった私が側におりますから。
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この歌は先の巻一(七六)の元明天皇(げんめいてんわう)の歌に、御名部皇女(みなべのひめみこ)が和して奉った一首。
御名部皇女は元明天皇の同母姉です。

先の巻一(七六)の歌から、妹である元明天皇のこころの重圧や不安を感じ取ったのでしょうか。
皇祖が大君を支える存在としてこの世にお与えになった私が側についていますよ、との姉らしいやさしさが感じられる思いやりのある歌ですね。
同時に、突如天皇としての重責を担うことになった元明天皇が当時、どれほどの重圧を感じていたのかも読み取ることが出来る一首のように思います。
御名部皇女のこの歌は、巻一(七六)の元明天皇の歌に対して過剰すぎるほどに不安を感じ取っているようにも取れますが、それもおそらくは普段から元明天皇がその不安を実の姉である御名部皇女にだけは打ち明けていたからに他ならないのでしょう。


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万葉集巻一


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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