万葉集入門
日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)
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橘(たちばな)の島の宮には飽(あ)かねかも佐田の岡部(をかべ)に侍宿(とのゐ)しに行く
巻二(一七九)
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橘の島の宮にお仕えするだけでは物足りないからか、佐田の岡にまでお仕えしに行くのです。
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この歌も舎人たちが詠んだ草壁皇子の死を悼む二十三首の晩歌のうちのひとつ。
草壁皇子の宮殿である島の宮は現在の石舞台周辺にあったとされますが、もうひとつの候補地として橘寺の側から出土した遺跡がその宮であったとする説もあります。
(巻二:一六八参照)
あるいは、島の宮の宮殿は現在の石舞台周辺から橘寺のあたりまで庭園の広がる大きな宮殿であったのかも知れませんね。
そんな「橘の島の宮にお仕えするだけでは飽き足らず、佐田の岡にまで出仕するのです」との意味の歌ですが、もちろんこれはそのままの意味ではなく草壁皇子を喪って皇子の御陵である佐田の岡に出仕することになった自身の立場を誤魔化して詠っているわけですね。
それほどまでに、舎人たちにとって草壁皇子の死は受け入れがたく喪失感の大きなものだったことがこの歌からも窺い知ることが出来ます。
明日香村橘寺。
この周辺からも遺跡が発掘されており、島の宮の宮殿は現在の石舞台周辺から橘寺のあたりまで広がる大きな宮殿であった可能性もあります。
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万葉集巻二
万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。
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