万葉集入門
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日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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人漕(こ)がずあらくも著(しる)し潜(かづ)きする鴦(おし)とたかべと船の上(うえ)に住む

巻三(二五八)
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人の漕がなくなったことがよくわかることです。池に潜る鴦やたかべが船の上に住んでいます。
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この歌も先の巻三(二五七)の長歌に付けられた二首の反歌のひとつで、鴨君足人(かものきみのたりひと)が香具山の麓の埴安(はにやす)の池を詠んだ一首。
「鴦(おし)」はおしどり、「たかべ」は現在のコガモのことです。
そんな鴦やたかべが船の上に住みついて、漕ぐ人もいなくなった藤原京の衰退を悲しんでいる歌ですが、単純に情景を見て悲しむだけの歌ではなくこの歌もやはり衰退した藤原京の土地の神を慰める鎮魂歌なのでしょうね。
実際には藤原京から奈良の平城京に都が遷ったとはいえ藤原京にもそこに住む人々は残っているはずなのですが、やはり天皇の住む都でなくなった土地というのはそれだけで荒んで寂しく感じられるものなのでしょう。


藤原京跡の水鳥。
埴安の池ではありませんが^^;
(埴安の池は現在では残っていません。)


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万葉集巻三


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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