万葉集入門
日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)
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矢釣(やつり)山木立(こだち)も見えず降(ふ)りまがふ雪のさわける朝楽(あしたたのし)も
巻三(二六二)
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矢釣山の木立も見えないほど降る雪の乱れ舞う朝は楽しいものです。
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この歌も先の巻三(二六一)の長歌につけられた反歌で、長歌と同じく柿本人麿が新田部皇子(にひたべのみこ)を讃えて詠んだ一首です。
矢釣山は現在の明日香村八釣にある山のことでどの山かは特定できませんが、八釣には新田部皇子の宮があったとされているのでその宮からよく見えた山のことだと想像出来ます。
そんな「矢釣山の木立も見えないほどに降りしきる雪の舞う朝は楽しいものだ」との、新田部皇子の宮をも讃える一首なわけですね。
おそらくは人麿が新田部皇子の宮を朝参したときの様子を詠んだ歌だと思われますが、あるいは雪の舞い積る様を幸せの舞い積る様と見立てての内容であったのかも。
奈良県明日香村の山田寺跡から南の八釣方面を見た景色。
向かって右端あたりの丘が矢釣山でしょうか?
飛鳥資料館の前の三叉路を南に進んですぐの八釣の地にある丘(八釣橋の信号のある交差点を東に入って行った先)。
このあたりの丘が矢釣山?
八釣橋のすぐ横からは新田部皇子の宮跡とも思われる遺跡も出土しています。
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万葉集巻三
万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。
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