万葉集入門
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日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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柿本朝臣人麿の新田部皇子(にひたべのみこ)に献(たてまつ)れる歌一首〔并せて短歌〕

やすみしし わご大君(おほきみ) 高輝(たかて)らす 日の皇子(みこ) しきいます 大殿(おほとの)のうへに ひさかたの 天伝(あまつた)ひ来(く)る 白雪(ゆき)じもの 往(ゆ)きかよひつつ いや常世(とこよ)まで

巻三(二六一)
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広く国土をお治めになるわが大君。その高く輝く日の皇子がお治めになる大殿の上に遥か遠い天を伝って降り来る白雪のように、私もお仕えに参りましょう。永遠の後までも。
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新田部皇子(にひたべのみこ)は天武天皇の皇子。
この長歌は柿本人麿が皇子を讃えて詠んだ一首です。

新田部皇子の宮は現在の明日香村八釣にあったとされ、巻二(一○三)巻二(一○三)の天武天皇と藤原夫人が歌を交わした大原にも近く雪の降りやすい地であったようです。
そんな「皇子のお住みになる八釣の宮殿に遠く天から降り来る雪のように、私も永遠の後までもお仕えに参りましょう」との、宮廷歌人である人麿らしい忠節を誓った一首ですね。
また、「常世」には「楽土」の意味もあり、天皇のお治めになる朝廷の世が、やがては楽土につながるとの意味も込められているようです。


現在はすでに埋め戻されて田んぼになっていますが、飛鳥資料館の前の三叉路を南に進んですぐの八釣の地(八釣橋のすぐ横)で新田部皇子の宮殿跡と思われる遺跡が発掘されました。
ここに新田部皇子の宮があったのでしょうか。
(写真の残土などは用水路工事のもので遺跡と関係ありません^^;)


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万葉集巻三


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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