万葉集入門
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日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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磯(いそ)の崎(さき)漕ぎ廻(た)み行けば近江(あふみ)の海八十(うみやそ)の湊(みなと)に鵠多(たづさは)に鳴く

巻三(二七三)
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磯の崎を漕ぎまわってゆくと近江の海の多くの湊に鶴が鳴いているよ。
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この歌も巻三(二七〇)の歌などと同じく、高市連黒人(たけちのむらじくろひと)が旅先で詠んだ八首の歌のうちの一首。
「磯(いそ)の崎」は岩石のある崎。
「近江(あふみ)の海」は琵琶湖のこと。

歌の内容は「磯の崎を漕ぎまわってゆくと近江の海の多くの湊に鶴が鳴いているよ。」との一見情景をそのまま詠っただけの一首ですが、これも旅先での不安に動揺しそうになる心を鶴の鳴き声に重ねて詠んだ一首なのでしょうね。
旅路での不安に霧散しそうになる心を、歌を詠うことによって一つ所に留めようとしたわけです。


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万葉集巻三


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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