万葉集入門
万葉集入門
日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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妹(いも)もわれも一つなれかも三河(みかは)なる二見(ふたみ)の道ゆ別れかねつる
一本に云はく、
三河の二見の道ゆ別れなばわが背もわれも独(ひと)りかも行かむ

巻三(二七六)
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あなたもわたしも一つだからだろうか。三河の二見の道から別れるのがつらいよ。
一本に云はく、
三河の二見の道で別れたならばあなたもわたしも一人で行くのでしょうか。
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この歌も巻三(二七〇)の歌などと同じく、高市連黒人(たけちのむらじくろひと)が旅先で詠んだ八首の歌のうちの一首。
「二見(ふたみ)の道」は愛知県豊川市御油町と国府町の分かれ道。

「あなたもわたしも一つだからだろうか。三河の二見の道から別れるのがつらいよ。」との、恋人との離別を惜しむ内容となっています。
ただ、これは実際の恋人ではなく、どうやら国府で黒人を接待した遊女との間で戯れて詠んだ一首のようですね。
つまりは国府での勤めを終え都へと帰ってゆく黒人が遊女との別れを惜しむ歌を恋人との恋歌として戯れで詠んだわけですが、「一つ」、「三河」、「二見」の数字を詠みこんでいるのも遊び心なのでしょう。

また、「一本に云はく」のほうの歌もこれは異説というよりは、本来は女性の側の立場に立って黒人が詠んだ一対の歌だったようです。
「三河の二見の道で別れたならばあなたもわたしも一人で行くのでしょうか。」との、こちらも別れを悲しむ女の立場に立ちながら数字を詠みこんで面白い一首ですね。

旅愁を感じさせる旅の移動中の歌とはまた違った黒人のユニークな一面が垣間見れて、なかなかに興味深い一首になっているように思います。


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万葉集巻三


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万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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