万葉集入門
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日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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いざ児(こ)ども大和(やまと)へ早く白菅(しらすげ)の真野(まの)の榛原(はりはら)手折(たを)りて行かむ

巻三(二八〇)
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さあみんな大和へ早く帰ろう。白菅の生える真野の榛原の枝を手折って行こう。
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この歌も先の巻三(二七九)の歌と同じく、高市連黒人(たけちのむらじくろひと)の詠んだ歌の二首のうちのひとつ。
「白菅(しらすげ)」は白い菅。
「真野(まの)」は神戸市長田区の尻池、刈藻あたりの野。
「榛原(はりはら)」はハンの木の原。

歌の内容は「さあみんな大和へ早く帰ろう。白菅の生える真野の榛原の枝を手折って行こう。」と、天皇の行幸に従駕した人々に対して詠い掛けています。
「いざ児(こ)ども大和(やまと)へ早く」はこの手の呪術歌の慣用語で、「榛原の枝を手折って行こう。」というのは、榛の木を手折って身に付けることでその土地の神の加護を身に授かろうとしたわけですね。
この歌もまた、黒人個人の旅の旅愁歌とはまた違った、行幸従駕の言霊の込められた呪術歌として興味深い内容のように感じます。


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万葉集巻三


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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