万葉集入門
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日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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塩干(しほひ)の三津(みつ)の海女(あま)のくぐつ持ち玉藻(たまも)刈るらむいざ行きて見む

巻三(二九三)
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潮の引いた海岸で三津の海女がくぐつを持って藻を刈っているようだ。さあ行って見よう。
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この歌も先の巻三(二九二)の歌と同じく、角麿(つののまろ)が詠んだ四首の歌のうちのひとつ。
「三津(みつ)」は「御津(みつ)」で難波の港。
「くぐつ」は海藻を入れる籠のこと。

そんな「潮の引いた海岸で三津の海女がくぐつを持って藻を刈っているようだ。さあ行って見よう。」との、御津の海女を詠った一首ですね。
ただ、この歌も単なる観光の歌ではなく、おそらくは海女が玉藻を刈る御津をたたえることでその土地の神の加護を得ようとした土地讃めの歌なのでしょう。
この時代、「見る」とは誉める行為であり、「いざ行きて見む」とはそれだけ価値のあるものだとの賞讃の言葉なわけですね。


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万葉集巻三


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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