万葉集入門
日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)
スポンサード リンク
風を疾(いた)み沖つ白波(しらなみ)高からし海人(あま)の釣船(つりふね)浜に帰りぬ
巻三(二九四)
-----------------------------------------------
風が激しいので沖は白波が高いようだ。海人の釣り船も浜に帰ってしまったよ。
-----------------------------------------------
この歌も巻三(二九二)の歌などと同じく、角麿(つののまろ)が詠んだ四首の旅の歌のうちのひとつ。
「風が激しいので沖は白波が高いようだ。海人の釣り船も浜に帰ってしまったよ。」と、浜に帰ってしまった釣り船から沖の波が高いらしいことを想像して詠っています。
角麿たちのこの時代の人々にとって、海は異界ともつながっていると考えられていた神々の住む場所としての畏れの対象でした。
それゆえに、海の様子はそのまま神々の御心として感じられたのでしょうね。
この歌もまた、そんな波の荒れた様子から海の神々の御心を感じ取った角麿の畏れがよく表れている一首のようにも思います。
スポンサード リンク
関連記事
万葉集巻三の他の歌はこちらから。
万葉集巻三
万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。
万葉集入門(トップページ)へ戻る
当サイトはリンクフリーです、どうぞご自由に。
Copyright(c) 2015 Yoshihiro Kuromichi (plabotnoitanji@yahoo.co.jp)
スポンサード リンク
欲しいと思ったらすぐ買える!楽天市場は24時間営業中
Amazon.co.jp - 通販