万葉集入門
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日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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住吉(すみのえ)の岸の松原遠(まつばらとほ)つ神(かみ)わご大君のいでましどころ

巻三(二九四)
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住吉の岸の松原よ。今は遠い神の子孫のわが天皇たちが行幸なされたところよ。
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この歌も巻三(二九二)の歌などと同じく、角麿(つののまろ)が詠んだ四首の旅の歌のうちのひとつ。
「住吉(すみのえ)」は大阪府住吉のあたり。
このあたりは過去の難波行幸時、天皇たちがよく訪れた場所でもあります。

そんな住吉を訪れた角麿が「住吉の岸の松原よ。今は遠い神の子孫のわが天皇たちが行幸なされたところよ。」と、この土地が天皇ゆかりの由緒ある素晴らしき場所であることを褒め讃えて詠った一首となっています。
歌の上では松原の松に詠い掛けていますが、これも実際には住吉を讃えることで土地の神の加護を得ようとした土地讃めの歌なわけですね。
この時代、旅の途中の道々や土地にはその場所に居ついた神や精霊がいると深く信じられていました。
それゆえに、旅人は訪れた土地を褒め讃える歌を詠むことでその土地の神の加護を得て、旅の無事を祈ったのです。
この歌も、そんな当時の旅人の姿が目に浮かんでくるような一首ですよね。

以上、角麿が詠んだ四首の旅の歌でした。


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万葉集巻三


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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