万葉集入門
日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)
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大君(おほきみ)の遠(とほ)の朝廷(みかど)とあり通(がよ)ふ島門(しまと)を見れば神代(かみよ)し思ほゆ
巻三(三〇四)
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大君の遠い朝廷として皆が通う島山を見ると神代の昔のことが思えるなあ。
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この歌も先の巻三(三〇三)の歌と同じく、柿本朝臣人麿(かきのもとのあそみひとまろ)が筑紫の国に下向するときに詠んだ二首の歌のうちのひとつ。
まあ、こちらの歌も丹比笠麿(たぢひのかさまろ)の歌と混同されている可能性があり、実際に柿本人麿が詠んだものかははっきりしないようですが…
先の歌と同じく一応、ここでは題詞通りに人麿の歌と解釈して紹介しておきますね。
「遠(とほ)の朝廷(みかど)」は、「地方出向の朝廷」の意味でおもに筑紫にある大宰府のことをこう言いました。
「神代(かみよ)」はこの場合は伊邪那岐(いざなぎ)と伊邪那美(いざなみ)によって国が生み出された「国生(くにう)み神話」のことを念頭に置いての表現。
そんな「大君の遠い朝廷として皆が通う島山を見ると神代の昔のことが思えるなあ。」と、神話の時代からの由緒ある土地である筑紫島(九州)を讃えた土地讃めの歌なわけですね。
この歌もまた、土地讃めの歌を捧げて筑紫の土地の神の加護を得ることで、船旅の不安な心を少しでも鎮めようとした言霊の一首なのでしょう。
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万葉集巻三
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県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。
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