万葉集入門
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日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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不尽山(ふじのやま)を詠める歌一首并て短歌

不尽(ふじ)の嶺(ね)に降り置く雪は六月(みなつき)の十五日(もち)に消(き)ゆればその夜(よ)降りけり

※1:「十五日」は三文字で「もち」。

巻三(三二〇)
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富士の嶺に降り積もる雪は夏も末の六月の十五日に消えるかと思うと、また夜に降ってきた。
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この歌も富士山を詠んだ一首で、先の巻三(三一九)の長歌につけられた反歌。
作者についてははっきとしたことは不明ですが、長歌とおなじく万葉集の目録に笠朝臣金村歌集所出の歌とあることから、あるいは笠朝臣金村(かさのあそみかねむら)自身の歌でしょうか。

「富士の嶺に降り積もる雪は夏も末の六月の十五日に消えるかと思うと、また夜に降ってきた。」との内容ですが、駿河国風土記によると富士山の頂の雪は六月十五日に消えて、その夜にまた降りだして積もるとの伝承があるようです。
この歌もそんな伝承をもとにして詠まれたものなのでしょう。

この時代、雪は目出度きものとも考えられていたので、そんな雪をつねに頂に積もらせている富士の山は、まさに高々とそびえ立つ目出度き神の山だったわけですね。


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万葉集巻三


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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