万葉集入門
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日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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不尽の嶺を高み恐(かしこ)み天雲(あまぐも)もい行きはばかりたなびくものを

右の一首は、高橋連虫麿(たかはしのむらじむしまろ)の歌の中に出づ。類(たぐひ)を以(も)ちてここに載(の)す。

巻三(三二一)
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富士の嶺が高く恐れ多いので天雲も流れたゆって頂にたなびいているよ。
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この歌も富士山を詠んだ一首で、巻三(三一九)の長歌につけられた反歌のひとつ。

ただ、左注によるとこれは実際には巻三(三一九)の歌の反歌ではなく、高橋連虫麿(たかはしのむらじむしまろ)の歌の中にあったものを歌の内容が類似しているということでここに載せたようです。
作者についてもはっきとしたことは不明ですが、あるいは高橋虫麿自身の作でしょうか。

歌の内容は「富士の嶺が高く恐れ多いので天雲も流れたゆって頂にたなびいているよ。」と、たしかに巻三(三一九)の長歌の内容と重なる部分がありますよね。
この歌もそんな天雲のたなびく富士の威容を讃えて、見事な言霊の一首のように思います。


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万葉集巻三


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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