万葉集入門
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日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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反歌

明日香(あすか)河川淀(かはよど)さらず立つ霧(きり)の思ひ過ぐべき恋にあらなくに

巻三(三二五)
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明日香川の川淀に去らずに立つ霧のように簡単に忘れられる慕情ではないのです。
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この歌も山部宿禰赤人(やまのべのすくねあかひと)が詠んだ一首で、巻三(三二四)の長歌に付けられた反歌。
「恋」と詠われていますが、巻三の雑歌の中の一首であり長歌の内容から判断してもこれは恋歌と取るよりは明日香の里への慕情とみるべきでしょう。

明日香川は明日香の里を流れる代表的な川ですが、そんな「飛鳥川にいつも立ち込めて去らずにいる霧のように、私の明日香の里への慕情も簡単に消え去るようなものではないのです」との、旧京への深い思い入れを詠った土地讃めの歌ですね。
まるで恋歌のようにこれほどの想いをこめて詠まれれば、きっと衰退してしまった明日香の土地の神も慰められたことでしょう。


明日香川。


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万葉集巻三


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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