万葉集入門
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日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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塩津(しほつ)山うち越え行けば我(わ)が乗れる馬(うま)そ爪(つま)づく家恋(いへこ)ふらしも

巻三(三六五)
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塩津山を越えて行くと私の乗っている馬がつまづいたよ。家の妻が私を恋しく思っているようだ。
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この歌も先の巻三(三六四)の歌と同じく、笠朝臣金村(かさのあそみかなむら)が塩津(しほつ)山で詠んだ二首の歌のうちのひとつ。
「塩津山を越えて行くと私の乗っている馬がつまづいたよ。家の妻が私を恋しく思っているようだ。」と、金村の乗る馬がつまづいたことを詠っていますが、この当時、馬がつまづくのは家にいる妻が自分を恋しがっているからだとの俗信がありました。

実際、万葉集の時代には、家に残った妻は旅先の夫を思って歌を詠むことでその言霊の力によって夫の無事を祈りました。
そして旅先にいる夫はそんな家で自分の無事を祈ってくれる妻の存在を思って歌を詠むことで、旅先での不安に動揺する心を鎮めたのです。

この歌も、そんな旅先での夫と家に残った妻の結びつきがよく表れている一首ですよね。


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万葉集巻三


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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