万葉集入門
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日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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石上大夫(いそのかみのまへつきみ)の歌一首

大船(おほふね)に真梶繁貫(まかぢしじぬ)き大君(おほきみ)の命(みこと)かしこみ磯廻(いそみ)するかも

右は今案(かむが)ふるに、石上朝臣乙麿(おとまろ)、越前の国守に任(ま)けらゆ。けだしこの大夫か。

巻三(三六八)
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大船に立派な梶をたくさん貫き備えて大君の命に従い磯をめぐっています。
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この歌は石上大夫(いそのかみのまへつきみ)が詠んだ一首。
「石上大夫」についてははっきりとしたことはわかりませんが、左注によると越前の国守であった石上朝臣乙麿(いそのかみのあそみおとまろ)のことでしょうか。
そんな石上大夫が「大船に立派な梶をたくさん貫き備えて大君の命に従い磯をめぐっています。」と、越前への船旅の様子を詠った一首となっています。

題詞などにも詳しいことはなにも記載されていませんが巻三(三六六)などの笠金村(かさのなかむら)の旅は、どうやらこの石上大夫に従って越前に赴いたときのもののようですね。
おそらくは朝廷の命を受けて越前に向かう船の上から旅の無事を祈って詠んだ歌なのでしょう。


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万葉集巻三


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県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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