万葉集入門
日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)
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和(こた)へたる歌一首
もののふの臣(おみ)の壮士(をとこ)は大君の任(まけ)のまにまに聞くといふものそ
右は作者いまだ審(つばひ)らかならず。ただ、笠朝臣金村の歌の中に出づ。
巻三(三六九)
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朝廷に仕える男子は大君の命じられるままに働くものですよ。
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この歌は石上大夫(いそのかみのまへつきみ)が詠んだ先の巻三(三六八)の歌に答えて詠まれた一首。
作者は不明ですが、左注によると笠朝臣金村(かさのあそみかなむら)の歌の中に集録されていたとのことなので、おそらくは金村自身の作かと思われます。
この時の石上大夫の旅には笠金村も従っていたようなので、石上大夫の巻三(三六八)の歌にその場で唱和したものなのでしょう。
「朝廷に仕える男子は大君の命じられるままに働くものですよ。」と、新たに越前の国守に赴任する石上大夫を励ます内容となっています。
この歌もまた、そんな天皇の命によって新しい世界へ船出してゆく旅の壮行祝賀の一首なのでしょうね。
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万葉集巻三
万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。
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