万葉集入門
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日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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大伴宿禰駿駿河麿の歌一首

一日(ひとひ)には千重波(ちへなみ)しきに思へどもなぞその玉の手に巻(ま)きがたき

巻三(四〇九)
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一日に千も千の波が重なるように思っているのにその玉は手に巻き難いことです。
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この歌は大伴宿禰駿河麿(おほとものすくねするがまろ)が自身の切ない恋心を詠んだ一首。
「千の波が重なるように一日に千回でも思うのにその玉は手に巻き難いことです。」と、愛しい人を何度も思う恋心を重なる波に、想い人を玉に譬えてその切なさを詠っています。
玉に譬えた恋の相手が誰であるかは書かれていませんが、巻三(四〇七)の歌などの側にあることからおそらくは大伴坂上二嬢(おほとものさかのうへのおとをとめ)を思っての歌なのでしょうね。

いつの世も恋とは簡単には成就しがたいものであり、それゆえに愛おしい人は玉のように価値あるものとして譬えられるのです。


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万葉集巻三


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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