万葉集入門
日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)
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反歌
逆言(およづれ)の狂言(たはごと)とかも高山の巖(いはほ)のうへに君が臥(こや)せる
巻三(四二一)
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不吉なたわけ言を言うものだなあ。高い山の巌に皇子が臥せっておられるなどと…
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この歌も石田王(いはたのおほきみ)が亡くなった時に丹生王(にふのおほきみ)の詠んだ挽歌で、先の巻三(四二〇)の長歌に付けられた反歌のうちのひとつ。
長歌では、石田王の亡骸を「初瀬の山に神々しくおまつり申し上げています」との使いの者の言葉を聞いたと詠っていましたが、この反歌ではそれを受けて「不吉なたわけ言を言うものだなあ。高い山の巌に皇子が臥せっておられるなどと…」と、石田王の亡くなったことを信じたくない心情が表現されています。
大切な人が亡くなったことを受け入れたくはないとの思いは、丹生王でなくとも誰もが共感できる素直な気持ちの表現ですよね。
この歌もまた、そんな石田王を失ったことを信じたくない自身の悲しみを詠うことで同時に、亡くなった石田王の魂を慰めてもいるわけです。
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万葉集巻三
万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。
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