万葉集入門
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日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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石上布留(いそのかみふる)の山なる杉群(すぎむら)の思ひ過(す)ぐべき君にあらなくに

巻三(四二二)
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石上の布留の山にある杉群のように忘れ過ぎてしまうわが君ではないのに
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この歌も石田王(いはたのおほきみ)が亡くなった時に丹生王(にふのおほきみ)の詠んだ挽歌で、巻三(四二〇)の長歌に付けられた二首の反歌のうちのひとつ。
「石上(いそのかみ)」は奈良県天理市石上付近のことで、この場合は石上にある布留(ふる)の地にかかる枕詞として使用されています。
布留の地には石上神宮があることで有名ですが、そんな布留の「杉群(すぎむら)」から同音で「過ぐ」を引き出して続けているわけですね。

「石上の布留の山にある杉群のように忘れ過ぎてしまうわが君ではないのに」と、決して忘れ過ぎたりするような軽い気持ちで思っているわけでない大切な石田王なのに…との、この歌もまた石田王を亡くした丹生王無念の思いがよく伝わってくる一首ですよね。


奈良県天理市石上の石上神宮にある布留の杜。



石上神宮の神杉。


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万葉集巻三


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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