万葉集入門
日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)
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遠長(とほなが)く仕(つか)へむものと思へりし君座(いま)さねば心神(こころと)もなし
巻三(四五七)
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いつまでも長くお仕えしようと思っていたのにあなたはもういらっしゃらないので心に張りあいもありません
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この歌も巻三(四五四)の歌などと同じく、大伴旅人(おほとものたびと)が亡くなったときに余明軍(よのみやうぐん)が詠んだ五首の挽歌のうちのひとつ。
「いつまでも長くお仕えしようと思っていたのにあなたはもういらっしゃらないので心に張りあいもありません」との、主である旅人が亡くなったことで心の張りがなくなってしまったことを嘆く一首となっています。
余明軍は朝廷から高位、高官者に与えられる舎人である「資人(しじん)」として大伴旅人に仕えていましたが、大納言となった旅人には百人(その前の従二位の頃で八十人)の舎人がいたようです。
その中で万葉集に旅人の死を悼む資人の挽歌として伝わっているのは余明軍の歌だけですが、きっと他の資人、舎人たちもそれぞれに主であった旅人の死を悲しんだことでしょう。
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万葉集巻三
万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。
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