万葉集入門
日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)
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反歌
時はしも何時(いつ)もあらむを情(こころ)いたく去(い)にし吾妹(わぎも)か若子(みどりご)を置きて
巻三(四六七)
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死ぬべき時は他に何時でもあるだろうに私の心を痛ませて亡くなった妻よ。幼い子供まで残して…
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この歌も大伴宿禰家持(おほとものすくねやかもち)が亡くなった妻を思って詠んだ挽歌で、先の巻三(四六六)の長歌に付けられた三首の反歌のうちの一首。
「この世はうつそみの仮の身とはいえ死ぬべき時は他に何時でもあっただろうに…」と、あまりにも早く亡くなった妻の死を悲しんでいます。
どうやら家持とこの妻の間には子供もいたようですね。
「若子(みどりご)」というのは三歳までの嬰児のことで、母を亡くしたその幼い子供の気持ちを思うと家持はますます心が痛んだことでしょう。
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万葉集巻三
万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。
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