万葉集入門
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日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

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反歌

わご王天知(おほきみあめし)らさむと思はねば凡(おほ)にそ見ける和豆香(わづか)そま山

巻三(四七六)
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わが大君が天をお治めになるとは思いもしなかったので、気にも留めずに見ていた和豆香の伐木の山なのに…
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この歌も先の巻三(四七五)の歌と同じく、安積皇子(あさかのみこ)が亡くなられた時に大伴家持(おほとものやかもち)の詠んだ六首の挽歌のうちの一首で、巻三(四七五)の長歌につけられた反歌です。
和豆香山(わづかやま)は現在の京都府相楽郡和束町にある和束山のことで、安積皇子はこの山の丘の上に葬られました。

「そま山」は材木を伐る山のこと。
そんな和豆香山を見て、「わが大君が天をお治めになるとは思いもしなかったので、気にも留めずに見ていた和豆香の伐木の山なのに…」と、いままでは気にも留めなかったそま山が今日からは皇子の亡骸の眠る特別な山になったと哀しみ嘆いているわけですね。

安積王の死に対して大伴家持は六首もの挽歌(長歌二首とそれぞれに反歌二首ずつ)を詠んでいますが、どの歌からもこの皇子を喪った哀しみが伝わってくる深い無念さを感じます。


和束山の丘の上にある安積皇子の墓。



京都府相楽郡和束町にあるこの歌の歌碑。



歌碑は安積皇子の墓のすぐ傍にある活道ヶ丘公園の入口にあります。
安積皇子の墓の前の大きな三叉路を西に行ってすぐの道沿い。
駐車場もあるので車で安積皇子の墓を訪ねられるときはこの公園を利用するといいでしょう。


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万葉集巻三の他の歌はこちらから。
万葉集巻三


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価620円〜〜1020円(税込み)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

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