万葉集入門
万葉集入門
日本最古の和歌集「万葉集」の解説サイトです。
分かりやすい口語訳の解説に歌枕や歌碑などの写真なども添えて、初心者の方はもちろん多くの万葉集愛好家の方に楽しんでいただきたく思います。
(解説:黒路よしひろ)

スポンサード リンク


反歌

白栲(しろたへ)の袖解(そでと)きかへて還(かへ)り来(こ)む月日(つきひ)を数(よ)みて行きて来(こ)ましを

巻四(五一〇)
-----------------------------------------------
白い栲の袖を解き交しながら、帰って来るまでの月日を数えてから出てくればよかった。
-----------------------------------------------

この歌も丹比真人笠麿(たぢひのまひとかさまろ)が筑紫国(つくしのくに)に派遣された時に妻を思って詠んだ一首で、先の巻四(五〇九)の歌につけられた反歌。
「白い栲の袖を解き交しながら、帰って来るまでの月日を数えてから出てくればよかった。」とは、家に残してきた妻にゆっくりと別れを言う間もなかった出立の慌ただしさを悔やんだ内容となっています。
「帰って来るまでの月日を数えて」とは、任期を終えて必ず帰京するとの約束を妻と交わしたかったとの意味でしょうか。

おそらくはどんなに言葉を交わしてから別れて来たとしても満足などできなかったのだとは思いますが、最愛の妻との長き別れは「もっと言葉を交わしてくればよかった」と丹比笠麿の心に何度も後悔をさせたのでしょう。
そんな妻への深い愛情がよく表現されている一首ですよね。


スポンサード リンク


関連記事
万葉集巻四の他の歌はこちらから。
万葉集巻四


万葉集書籍紹介(参考書籍)
万葉集(1)〜〜(4)&別冊万葉集辞典 中西進 (講談社文庫) 定価637円〜〜1101円(税込み参考価格)
県立万葉文化舘名誉館長でもある中西進さんによる万葉集全四冊&別冊万葉集辞典です。
万葉集のほうは原文、読み下し訳、現代語訳、解説文が付けられていて、非常に参考になりこの4冊で一応、万葉集としては充分な内容になっています。
他の万葉集などでは読み下し訳のみで現代語訳がなかったりと、初心者の方には難しすぎる場合が多いですが、この万葉集ではそのようなこともありません。

万葉集入門(トップページ)へ戻る

当サイトはリンクフリーです、どうぞご自由に。
Copyright(c) 2015 Yoshihiro Kuromichi (plabotnoitanji@yahoo.co.jp)


スポンサード リンク


欲しいと思ったらすぐ買える!楽天市場は24時間営業中

Amazon.co.jp - 通販